ミウラ折りの起源 Origin of Miura-Ori

最初の投稿として何をしようか迷ったが、ミウラ折りの起源の話をする事が適切であろうという結論に至った。なぜならば、ミウラ折りはその世界の人間には最もよく知られた構造であり、自分が最も効率的だと考える”自然”に端を発するからだ。

 
 
 
 
 

ミウラ折りミウラおり)とは、1970年に東京大学の三浦公亮(現・東京大学名誉教授)が考案した折り畳み方である。(wikipedia)宇宙展開構造物や地図だけでなく、想像以上の分野で活用されているが、活用例は今後紹介する。

 

宇宙構造物などの「小さくする」ことが重要なエリアで働いていた三浦氏は、最小のエネルギーで畳める折り紙構造を研究しようとした。その着目点が素晴らしかった。自然物が壊れる様子が最も効率の良い折り方であると考え、その研究に至った。

 

大きな紙を四方八方から縮めるとき、紙は曲がったり面内で伸び縮みしたりする。

ある変形についての伸び縮みのエネルギーは厚さに比例し、曲げの歪みエネルギーは厚さの三乗に比例する。

 

そこで紙の厚さが極限まで薄くなったとき、エネルギーも急速に小さくなるだろう。その状態では、少ないエネルギーを要求する曲げが支配的となり、その折り線を三浦氏は考えた。いわば、極限状態での自然な折り線である。

 
 

三浦氏が当時吉村慶丸先生の弾性薄肉円筒の座屈パターン、つまり、円筒の壊れるパターン(Yoshimura Pattern or Schwartz lantern)の研究をしていたところ、そのパターンを紙の上で再現して上から力を加えると構造が一点に収束することを発見した。このおりパターンを上記の極限状態の紙の最適折り線だと過程して、数学的と実験的に証明してできたのがミウラ折りである。

 

このように、薄い構造や紙が自然にどう変形するかを解いたのがミウラ折りなのだ。

 

私もこのように自然の法則から学び驚く発明をしたい。

 

#補足になるが、このアイデアオイラーのエラスティカ(Euler's Elastica)という限りなく細い弾性棒の変形パターンの二次元バージョンとも考えられる。